2023年 2月 21日 (火曜日)

.学校: “出動”記録〜5年生 道徳科「友情,信頼」

 本日の緊急出動(補欠授業)は5年生の道徳科でした。
 今日のように“飛び込み”で道徳科の授業に入るときは,まず最初に“そのクラス”の「道徳科授業のお約束」について確認します。担任の先生がいつも,どんな風に授業をしているのかを把握しておくことで,子供たちの声に耳を傾けやすくできるからです。
 今日は私のほうから次の二つを「お約束」として掲げました。
 その1:「本音トーク」を成立させる(そのためによく聴きよく語る)
 その2:「突っ込み」を入れる視点を大切に
 高学年ともなると,ただの“お伝え道徳”とか“押しつけ道徳”は通用しません。と思って,こういうモードで始めたのですが……。

 今日のお題は「B 主として人との関わりに関すること」の中の「10 友情,信頼」。これを『ミレーとルソー』という教材で描かれた友情物語を通して考える,というものです。
 ちょっと美術が好きな人なら,「ああ,あのミレーね。ルソーってどのルソー?」くらいからスタートできるのですが,たぶん無理なので,“実在した人物感”を出すためにお2人の肖像写真をネットから拾って教室に向かいました。
 児童の皆さん,いつものように新鮮な気分で迎え入れてくれます。5時間目だったので昼休みの「なわとび疲れ」をしてるだろうに……。給食の時とはまた違う,道徳科の空気を作ってくれました。(素晴らしい!)
 「普通のクラスメイトと親友って違うと思うんだけど,親友レベルの子だからこそ,してあげること,あえてしないこととかって,ある?」
 ちょっと難しい導入の問いになっちゃったかな……,と思っていたら,そんな心配をよそにスーッと手が上がりました。(ウォッ! すごいな……)
「どんな感じですか?」
「ほんとに大切な友達の場合は,落ち込んで見える時なんか,すぐに声かけずに,注意深く見守るみたいにするかもしれません」
「な〜るほどね。普通の友達の場合はすぐに声かけちゃったりするけど,そうでない場合は逆にちょっと,間をあけたり,距離を置くわけね?オトナですねぇ。みんなもそんな感じ?」(皆さん,うんうんなずく)
「でもさー」(別の子)
「でもさー,何?」
「その子がほんとに“イタイ”くらいに落ち込んでたら,速攻,声かけますよ」
「そうか,“イタイ”ね,それ,わかりやすいね。そうか,その子とのカンケーとか,異変の中身によって声のかけ方,変えるわけね。なーるほど……」
 なんていう感じのことを念頭に置きながら教材を読み進め,本題に入りました。
 社会的な立場とか経済力とか健康状態とか,さまざまな条件が入り組む中でやり取りされるモノやお金(という目に見える行動),その中で,人生をかけて向き合うそれぞれの芸術への思い……。児童の皆さん,その背景で行きかっている二人の心の中に分け入りながら,さまざまな考えを聞かせてくれました。

 時折,「汚れつちまつた」オトナの立場から,私が意図的に入れる突っ込みや揺さぶりにも,鋭い視点で応えてくれる場面があり,(ウーム,すごいな……)とココロの中で何度もつぶやいてしまいました。

●過去の道徳“出動”記録〜4年生「勤労,公共の精神」
https://schoolnet.edu.city.yokosuka.kanagawa.jp/schoolnet/ictea-gw/modules/ictea_jblog/index.php?smode=Monthly&action=View&event_id=45297&caldate=2022-11-1&schid=30&block=0

 
掲示者: 9時10分