2022年 12月 2日 (金曜日)

.学校: 授業観察,始まりました

 毎年,秋から冬にかけて「授業観察」を実施しています。これは,教頭・校長が2人で授業ひとコマをまるごと参観,記録して,授業内容の振り返りをしたり人事評価の資料にしたりするというものです。

最大の目的は“授業改善”
 子供たちは,カメラ片手に校長がフラっと授業中の教室に入ってくることにはすっかり慣れていますし,授業者の先生たちもそれほど特別なこととは感じていないと思います。これは本校が長年にわたって授業を大切にしてきた文化的風土を象徴することの一つといえます。
 でも,管理職が2人そろってバインダーを手にあれこれメモしながら1時間貼り付いているとなると,少しばかりかしこまった雰囲気になってしまいます。授業者にはちょっぴり緊張を強いてしまっているかもしれません……。

小学校では貴重な機会
 「授業観察」の一番の目的は,冒頭でも触れた授業後の“振り返り”を通して,授業改善に資するということです。
 初任の先生は研修期間を経ることなく,すぐに子どもたちと向き合い,日々の教科指導に当たらなければなりません。また,教科担任制の中学校(2〜3回は改善しながら同じ授業を繰り返すことができ,概ね3年間で一巡する)とは異なり,小学校の場合,経験の浅い先生たちは,日々の授業がどれも一発勝負になります。加えて,その学年,教科や単元等を次に経験できるのは何年先かわかりません。
 また,小学校は空き時間が少ないので(中学校比で担当授業コマ数は約1.3倍),先輩の授業を見て研修する余裕もありません。
 このようなことからも,学年チーム内での先輩からのアドヴァイスや日々の写真取材(と広報)に加えて,この「授業観察」のような機会は,授業改善をする上で大きな意味を持つことになります。

ある日の授業から……クロムブックなにげに大活躍
 国語科の授業で……
 まずは漢字おさらいクイズ・コーナーからスタート。これは授業者がクイズ作成アプリ「カフート(Kahoot!)」で自作したものです。端末上に次から次へと表示される漢字の「よみ」を,児童の皆さん,慣れた手つきで答えていきます。瞬時に正答率(回答の度数分布みたいなもの)が集計されていきます。全問を見渡しながら簡単な振り返りをして,本時のメインメニューへ……。
 今日は単元の終盤らしく,登場人物の心情の読み取りについて,クラスの皆さんの考えを共有するという局面でした。ここでも2色に色分けされた付箋風の意見集約アプリが大活躍。画面いっぱいに貼り出された付箋をもとに,今度はオフラインでの共有タイムに入りました。
 ラストシーンが物語るものって何だったの?描写の仕方などから様々な見方・考え方を共有しました。

端末活用を目的化するのではなく……
 クロムブックのような新しい学習ツールが導入されると,よく起こるのがそれに振り回されてしまうこと。端末を使うことが「目的化」されてしまい,肝心な教科本来の学習内容がどこかへ行ってしまう,ということがよく起こります。
 今日の授業ではそのステップはすでに終わり,教科学習のねらいを達成するための活用が,普通に(当たり前に)成立していました。

授業の振り返りと共有
 観察時のメモは授業の振り返りで活用しています。先述の通り,小学校は空き時間が少ないので,お互いに授業を見合う時間がなかなか確保できません。ベテランも経験の浅い先生たちも,それぞれのノウハウを共有できるように,あれこれレポートをしていこうと思っています。

 

 
掲示者: 15時01分