2019年 5月 24日 (金曜日)

.学校: 「社会に開かれた教育課程」って何…?

「あらすじ」だけを挙げると次のようになります。

よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を学校と社会とが共有し、それぞれの学校において、必要な教育内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを明確にしながら、社会との連携・協働によりその実現を図っていく
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/02/08/1384661_002.pdf

 これまでも文科省はこれにつながることを提唱し続けてきて,そのおかげで教員の勤務負担は雪ダルマ式にふくらみ続けてきました(といわれています)。学習指導要領改訂と働き方改革を一緒に話題にするとき,「文科省はアクセルとブレーキを同時に踏ませるつもりか!」と揶揄される所以です。
 でも,ヒール&トウという技もないことはないです。つまり,働き方改革の視点でシフトチェンジはする(そのためにブレーキはかける)としても、これまでやってきたことを質的に減速させることなく(エンジンの回転数は極端に変えず),それを価値付けながら滑らかに次につなげる(クラッチをつなぐ),という運転テクニックです。

例えば本校の場合……
 価値付けの対象に事欠きません。特筆すべきは,「馬堀小学区 地域づくり協議会」が組織され,そこに参画してくださっている皆様が様々な局面で学校や児童を支えてくださっています。また,いくつかの事業についてはPTAも組織的にかかわっています。
 昨年度1年間を振り返ってみても……(★は,教育課程内に位置づけているもの)
地域づくり協議会▶ 毎月の定例会,見守り活動,馬堀っ子広場の草刈り&メンテナンス,焚火の会……
体育振興会▶ 体力テスト(★全学年体育),歩こう会,健民運動会,縄跳び&昔遊びの会,ドッジボール大会……
防災隊▶ 学習会,合同防災訓練(★5年総合),炊き出し訓練…
祭礼関連▶ 盆踊り,お囃子(★4年音楽)

 民間企業,関係機関等の活用でも,教育課程内の様々な取組がありました。県立大学交流,幼稚園交流,マヨネーズ教室,赤十字(防災),人権講演,薬物防止キャラバン,ベイスターズ,浦賀警察(不審者訓練)……
 「地域探検」等,日常的な授業での学習場面も含めれば,枚挙に暇がないほどです。

 「社会に開かれた教育課程」というのはつまり,前述のような取り組みを,次の「拾い読みコーナー」の視点で価値付けることと併せて,新たな視点(カリキュラム・マネジメント)で中長期的な指導計画に位置づけたものであるということができます。
 今年度の様ざまな教育活動を通してこれまでの実践を振り返るとともに,それらを価値付け,取捨選択しながら来年度の指導計画立案に当たってまいります。

【拾い読み】------------------------------------ 

その H28 / 『12.21中教審答申』

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1380731.htm
p.19 より 
第4章学習指導要領等の枠組みの改善と「社会に開かれた教育課程」
1.「社会に開かれた教育課程」の実現
改訂の前提となる“課題”

〇 変化の激しい社会を生きるために必要な資質・能力とは何かを明確にし,教科等横断的な視点も持って育成を目指すこと。
〇 社会とのつながりを重視しながら学校の特色づくりを図ること
〇 現実の社会との関わりの中で子供たち一人一人の豊かな学びを実現していくこと
課題を乗り越えるために必要なこと
〇 学校が社会と接点を持ち多様な人々とつながる,開かれた環境となることが不可欠。
〇 学校教育の中核となる教育課程もまた社会とのつながりを大切に
効果と期待
〇 子供たちが地域社会とのつながりの中で学び,自らの人生や社会をよりよく変えていくことができるという実感を持つことで,困難を乗り越え,未来に向けて進む希望と力を与える。
〇 社会からの学校教育への期待と学校教育が長年目指してきたものが一致,共に育んでいくことができる好機。教育が普遍的に目指す根幹を堅持しつつ,社会の変化を柔軟に受け止めていく「社会に開かれた教育課程」としての役割が期待される。
重要なこと
社会や世界の状況を幅広く視野に入れ,よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を持ち,教育課程を介してその目標を社会と共有していくこと。
これからの社会を創り出していく子供たちが,社会や世界に向き合い関わり合い,自らの人生を切り拓ひらいていくために求められる資質・能力とは何かを,教育課程において明確化し育んでいくこと。
教育課程の実施に当たって,地域の人的・物的資源を活用したり,放課後や土曜日等を活用した社会教育との連携を図ったりし,学校教育を学校内に閉じずに,その目指すところを社会と共有・連携しながら実現させること。


その◆ヽ惱指導要領解説『総則』編
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_001.pdf
p.125 
第5節 学校運営上の留意事項 より
2  _板蹐簔楼莠匆颪箸力携及び協働と世代を越えた交流の機会(第1章第5の2のア)

ア 学校がその目的を達成するため,学校や地域の実態等に応じ,教育活動の実施に必要な人的又は物的な体制を家庭や地域の人々の協力を得ながら整えるなど,家庭や地域社会との連携及び協働を深めること。また,高齢者や異年齢の子供など,地域における世代を越えた交流の機会を設けること。
重要なこと
〇 学校内外を通じた児童の生活の充実と活性化を図ること
〇 学校,家庭,地域社会がそれぞれ本来の教育機能を発揮すること
〇 全体としてバランスのとれた教育が行われること
そのために必要なこと
〇 学校の教育方針や特色ある教育活動,児童の状況などについて家庭や地域の人々に適切に情報発信し理解や協力を得る。
〇 家庭や地域の人々の学校運営などに対する意見を的確に把握して自校の教育活動に生かす。
〇 家庭や地域社会が担うべきものや担った方がよいものは家庭や地域社会が担うように促していくなど,相互の意思疎通を十分に図る。
大切にしたいこと
〇 休業日も含め学校施設の開放,学習機会の提供,地域社会の一員としての教師のボランティア活動を通して,家庭や地域社会に積極的に働きかける。
〇 それぞれがもつ本来の教育機能が総合的に発揮されるようにする。
〇 児童が高齢者と触れ合い交流する機会を設け,感謝と尊敬の気持ちや思いやりの心を育み,様々な生きた知識や人間の生き方を学んでいく。

p.144 
(1) 道徳教育に関わる情報発信
〇 学校と家庭や地域社会が児童の道徳性を養う上での共通理解を図る。
〇 学校が道徳教育の方針を家庭や地域社会に伝え,理解と協力を得る。
〇 学校通信で全体計画を示したり,児童のよさや成長の様子を知らせたりする。
〇 学校のホームページを活用した情報発信も家庭や地域社会に周知する上で効果的。
(2) 家庭や地域社会との相互連携
〇 相互交流の場を設定することが望まれる。
〇 道徳教育の実情について説明したり家庭や地域社会における児童のよさや成長などを知らせてもらったりする情報交換会を定例化し,願いを交流し合う。
〇 学校,家庭,地域社会が連携して道徳教育の充実を図ることにより,保護者や地域の人々の道徳教育に関わる意識が高まることも期待できる。


その 『Society 5.0 に向けた人材育成〜 社会が変わる,学びが変わる 〜』
http://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2018/20180605.htm
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/06/1405844_002.pdf
Society 5.0とは 
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより,経済発展と社会的課題の解決を両立する,人間中心の社会
(Society)
狩猟社会(Society 1.0),農耕社会(Society 2.0),工業社会(Society 3.0),情報社会
(Society 4.0)に続く,新たな社会を指すもの。
第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱。
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html

p.10 「(2)小・中学校時代」 より
大切なこと

義務教育に求められるのは,流行の最先端の知識でなく学びの基盤を固めること。
学校や学びの在り方
   〜一元モデル,つまり「○○だけ」構造からの脱却
〇 「教職員だけ」による学校経営から「チーム学校」へ。
〇 「教師だけ」が指導に携わる学校から「開かれた教育課程」を実現する学校へ。
〇 「同一内容だけ」教える教育から,「個々人の特性」に応じた教育へ。
〇 「紙だけ」から,ICTなど先端技術も活用した学校へ。
〇 「学校だけ」から,フリースクール等「学校以外の場」での教育機会確保へ。



 
掲示者: 12時07分