2021年 6月 2日 (水曜日)

.学校: もうすぐ「教育課程研究会」(教育委員会主催)

 保護者の皆様等,校外の方を対象にしてこんなことを書いても「???」という感じだと思いますが,学校業界ではかなり重い位置付けの事案になっています。
 教育委員会が今回,掲げた研究テーマは……
研究主題
 資質・能力を育む教育課程の編成と教育活動の工夫・改善
サブテーマ
 〜各教科等の見方・考え方を働かせた授業実践と学習評価〜

 この研究会,昨年度は新学習指導要領スタートというとても大切な年にもかかわらず,コロナ禍のため,全面中止になってしまいました。今年はその分のおさらいも含めた内容になっています。ただし,例年のように授業をカットして出張するスタイルにはまだ,できません。他の出張等と同じようにリモートでの開催になりました。
 「教育課程の工夫・改善」「教科等の見方・考え方」って何? 「授業実践と学習評価」ならまだわかるけど……研究テーマを念頭に置き,そういう視点を持って教室を回ると,様々なことが……
 例えば5年生図工の時間(写真)。電動の糸のこぎりを使うことは高学年のノルマとされています。これを使ってどんな題材(作品)に取り組むか……。
●工夫・改善
 一昨年まではジグソーパズルのように,糸のこぎりでの「切り抜き」と絵柄が無関係に独立したものになっていたり,パズルとして長方形の平面(画面)にはめ込んだりすることを前提にする形をとっていました。
 昨年からはこれを改め,糸のこぎりで「思うまま」に切り抜くことをまず前段に位置付けました。切り抜いてできた「形」から発想して「見立て」などを行い,立体に「構成し直す」という過程をそのあとに設定しています。
 そんな,専門っぽいことわからないよ……と言われそうなのでまとめると「材料や用具の特性を最大限に生かしながら,発想すること自体を価値付ける」という,ことです。これでも難しいですね……。
 「見立て」については今,国語科でも関連教材を扱っており,教科横断的な位置づけにもなっています。
● 見方・考え方
 「形」や「見立て」からの発想など,一見するとその場の思い付きとも思えるようなことをこそ価値付けた題材設定になっています。ここで,形や色に関わる図画工作科の「見方・考え方」を働かせることになります。
 また,ますます予測不能になるという数十年後の社会では,既成概念にとらわれない,独自の発想力がこれまで以上に強力な武器になるとも言われています。
● 学習評価
 評価というと,大人たちはすぐに「成績」のことね,と思ってしまいがちですが,違います。授業中の児童と先生の対話の中では常にこの「学習評価」が行われていると考えます。ちょっとした「声かけ」や「相談」「アドバイス」などの一つ一つがすべて学習評価,というわけです。
 それだけに,先生たちには子供たちの学習状況をきちんと見つめて,それを的確に読み取って適切な指導をしていくということが要求されます。
 この授業の場合,作品本体もさることながら,あれこれ思考・判断を重ねながら色づくりをした「パレット」にも,様々な学習状況に関わる履歴,情報が残されているかも……。

 来週から順次始まる教科ごとの研究会では,このようなことを話題にしながら研修を進めていきます。

過去の教育課程研究会(R元年6月)】
https://schoolnet.edu.city.yokosuka.kanagawa.jp/schoolnet/ictea-gw/modules/ictea_jblog/index.php?smode=Monthly&action=View&event_id=33555&caldate=2019-6-1&schid=32&block=0

 
掲示者: 16時01分