2018年 12月 19日 (水曜日)

.学校: いわゆる“置き勉”事情はどうなっているのか

ランドセルは大容量化!
 2019シーズンのラン活(ランドセル購入活動)のトレンドは,なんでもA4“フラット”ファイル対応サイズのタイプだとか。一時期、A4“クリア”ファイル対応というのがセールスポイントになっていたので、それよりさらに10mmほど幅広になったということになります。学習内容の質,量の変化に伴ってランドセルの容量が大きくなっていることは,こんなことからも実感できます。

教材持ち運びの実態は?
 ランドセルが重くなりすぎないように,本校では概ね以下のような考えに基づいた指導をしています。
[毎日持ち帰るもの]
・宿題や予習復習に必要な教科書やノート等
・連絡帳や給食用具等,更新や洗濯等を要するもの
[置いておくもの]
・教科をまたいで“資料”として活用するもの
  地図帳,道徳科教科書(人物伝等が掲載されているので社会科の資料になる。
  そうでなくても道徳教育は「学校の教育活動全体を通じて行う」こと,となっていますが)など
・天候の影響等による急な授業変更に必要なもの
  書写等,授業変更に対応しやすい学習用具
 この他にも学年や学級,時期に応じて内容が変わることがあります。
 低〜中学年では持ち帰り教科は国語,算数(高学年は上下巻合冊なので重くなる)が中心ですが,学年が上がるにつれて社会や理科がそれに加わることがあります。学年が上がると体も大きくなるため,多少の個人差はあっても荷物の重量増には対応できるようになるようです。また,実験・観察や実習,行事,長期休業の前後なども,普段とは違う分量の持ち運びが必要になりますが,少しばかり先を見通して持ち物を分散することで集中を避けることが可能です。

教室環境の整備も
 私物を学校に置くとなるとその保管場所が必要になります。紛失や取り違えが心配されるからです。保管場所の実態は……。
・机→お道具箱スペースの他,登校後ランドセルから教科書類を移して使用。お道具箱の占拠率は学年が上がるごとに低くなります。
・常設ロッカー→廊下との間の壁に設置。中学校のロッカーとは違い,ランドセル入れになっています。
・別付ロッカー等→本棚を用意して副教材類をまとめたり,事務用の整理箱を活用して何かとかさばるファイル類を保管したりしています。学習班ごとにまとめて,集配をしやすくする工夫も見られます。

過積載の方舟みたいにならないように
 重くなっているのはランドセルだけではありません。先生たちのカバンもかなりのもので……。例えば新旧の学習指導要領(『解説』も)を比べると,どの教科もページ数がほぼ倍増,とりわけ算数などは400ページ超のずっしりと重たいものになっています。
 時代や社会のニーズに合わせて学校の教育内容の質が変わり,量が増えていくのはわかるのですが,大切そうなことをたくさん盛り込んだ学校教育が“積みすぎた方舟”のようになって,難破したりすることがないように,上手に舵取りをしていかなければならないな……と思っています。

[写真]
左上:道徳科や書写の教科書,地図帳などはまとめて保管。
左下:机の左半分はお道具箱,右はその日に使う教科書ノート。
中下:ファイルやワークシートは学習班ごとに保管箱で整理。
右:新旧の学習指導要領『解説』算数編。Webに上がっているのでスマホやタブレットで持ち運べばOK,という考え方?

 
掲示者: 11時52分