まぼりっ子たちは寒さに負けず元気に参加。大縄跳び大会に続く個人戦,昔遊びをみんなで楽しんでいました。
「(べーごまの)ひも,どうやって巻くんですか?」「それはね,ひもを結んで作ったこの二つのお団子を真ん中になるようにして(50年ぶりだな,できるかな…),こうやってこのキャンバスの上に,ヒョイっとね……(回った!よしよし,,)。で,ここにまた次の人が回して,相手のコマをはじき出して勝負するすわけです。丸じゃなくて6角形なのはそのためね……」
子どもたちに訊かれるままに説明しているうちに,立場を忘れてハマってしまいました。平成二ケタの子どもたちも,慣れないヒモと鋳物の小さな塊を相手に辛抱強くトライしていました。
PTAからも「折り紙」と「ブンブンごま」のブースを出していただきました。「ブンブンごま」,作るのは楽しいけれど回す方は少しばかりコツが必要です。ひもの引っ張り加減をちょっぴり工夫して,ブンブン回せたときには大きな歓声が上がっていました。
時代を問わず,子どもたちはこういう,手先を使って工夫を要する遊びが好きなのだな……ということを改めて確認できたように思います。ホモ・ルーデンスとはよく言ったものだな……と重ねて感心しました。
昭和20年代に小学生時代を過ごされたという,地域の方とのお話しの中で,こういう遊びの多くは当時,学校側から禁止されてしまっていたということを伺いました。その後,これらは子どもたちの遊びの中から次第に消えていき,昭和40年代に小学生だった私たちの世代で途切れてしまったのかもしれません。
などということをしみじみと考えていたら,ベーゴマにチャレンジする子どもたちの会話が聞こえてきました。「これってさぁ,ベイブレードみたいなもんだよね」「そうそう,そうだね」「あたしたちがさぁ,おばあちゃんになるころは,ベイブレードが“昔遊び”になるのかなぁ」「そっかぁ,そうかもね……」
素晴らしいメタ認知の力に感心しつつ,まだまだ頑張らなければ……と強く思いました。
★ホモ・ルーデンス(homo ludens)
ホモ・ルーデンス(=遊ぶ人)。オランダの歴史学者ホイジンガが提唱した考え方(同名の著書もあり)。遊ぶことが人間の活動の本質であって,それが文化を生み出す根源だとする人間観。遊びは生きるための糧を求める生物学的活動を超えて、生活に意味を与えるものであるという考え方。図画工作科に位置付けられている「造形遊び」には,この考え方が反映されています。