昭和22(1947)年、六三三の小中高等学校の制度が発足し、横須賀市の西部に長井中と大楠中が開校するようになった。武山地区は主に農家が多く、人口が少なかったので、中学を作る段階でなく36人の生徒は希望の多かった長井中学校へ4月から徒歩で通学した。

 長井中学校は、旧海軍砲術学校第2棟を使用し開校された。雨の日、風の日、子どもたちは小さな足で何キロも鞄を背負い、毎日通った。下校途中、寄り道をしたり米軍の兵隊さんの車に乗せてもらったり商店をのぞき込んだりして通ったものだった。地域外から来るためいじめも多少あったり途中の事故や遠い道のりを心配するあまり、親たちは武山にも中学を作ってやりたい…という心にかられ、父母が相談しあって教育委員会に申し出た。

 当時、現在の富士見小のある高台に武山尋常小学校があったが、現在の場所(武小…太田和3丁目)に移転し、数ヶ月間、空き家になっていたため、そこを武山中学校と定め、10月10日開校にいたった。校舎とはいえ、名ばかりでその荒れ方はひどく、雪が降れば廊下は吹き込む雪で道路と同じになり、風が吹けばガラスもない窓から吹き抜けていき、雨が降れば雨漏りもひどく、学習よりも校舎を繕う作業に明け暮れる日々であった。子どもたちは小さな手に釘やトンカチを握り、先生や父母と一緒に直す手伝いをした。

 しかし、武中を取り囲む風景は天下一品で、箱根連山・富士山・丹沢・大山・相模湾を一望に見渡せるというすばらしい場所であった。グランドに古くからある雄大な楠の木が全員のシンボルになったり、何かにつけて、この木の下で思い出は作られていった。
 
 ※資料 「おらが中学校誕生」(武中PTA沿革史特別委員会) より
 
1947年(昭和22年)  長井中学校より独立・開校式(現富士見小の敷地内にて)
校長:初代 伊藤隆治
1949年(昭和24年) 校長: 2代 大野義治 
1954年(昭和29年) 校長: 3代 鈴木正利
1957年(昭和32年) 校歌制定
1960年(昭和35年) 校長: 4代 原田秀雄
1963年(昭和38年) 校長: 5代 井上武夫
1967年(昭和42年) 校長: 6代 三浦明e
1970年(昭和45年)  校長: 7代 小暮正雄
10.2 開校記念日の制定
1973年(昭和48年) 校長: 8代 一柳慎吾
1975年(昭和50年) 体育館・技術室完成
プールバックネット完成
1977年(昭和52年) 校長: 9代 和田俊雄
1978年(昭和53年) 校庭のスプリンクラー完成
1979年(昭和54年) 第2校舎(B棟)東側完成
大楠中学校より特殊学級移設
1980年(昭和55年) 校長:10代 安部卓
校庭周辺の防球ネット完成
1982年(昭和57年) 第2校舎(B棟)西側完成
県立武山養護学校との交流開始
1983年(昭和58年) 校長:11代 浅倉好量
校庭設備、部室・体育館倉庫完成
1986年(昭和61年) 校長:12代 齋藤親照 
シンボルツリー「くすの木」(先輩たちの思い出の木)を植樹
1987年(昭和62年) 格技室完成
1989年(平成元年) 校長:13代 山田健
特色ある学校づくり「視聴覚室」完成
1991年(平成3年) 校長:14代 立木直美
1993年(平成5年) 校長:15代 小川征男
文部省委託「心身障害児理解推進校」を受ける(2年計画)
市教育委員会委託「体力つくり研究校」を受ける(2年計画)
1996年(平成8年) 校長:16代 鈴木誠
1997年(平成9年) 校庭改修工事・アスファルト舗装工事完成
創立50周年記念式典
1998年(平成10年) 第50回卒業証書授与式(卒業生総数 10,022名)
下水道施設工事完成
1999年(平成11年) 相談室、A棟西側トイレ完成
コンピューター入れ替え工事完了
A棟東側トイレ完成
2000年(平成12年) 校長:17代 渡辺圭治
格技室ハロゲン電球昇降機改修工事完了
2003年(平成15年) 校長:18代 細野裕
2004年(平成16年) スクールユニフォームを導入
2005年(平成17年) 校舎耐震工事完了
2006年(平成18年) 校長:19代 丹澤芳明
教室用エアコン工事完了
2009年(平成21年) 校長:20代 田中康志
市教育委員会委託「小中連携」を受ける(2年計画)
2010年(平成22年) PC室のコンピュータ等入れ替え工事完了
校内LAN工事完了
2011年(平成23年) 校長:21代 丸P正
2014年(平成26年) 校長:22代 渡邉克仁
2017年(平成29年) 校長:23代 星野洋司
創立70周年記念式典
2020年(令和2年) 校長:24代 佐藤昌俊
2022年(令和4年) 校長:25代 新田将之