2012年 2月 1日 (水曜日)

.学校: 大塚台の風1月

言葉に宿る力

 年が明けてからあっという間に4週間が過ぎました。今年も大階段に桜草のプランターが並ぶ季節になりました。この桜草は、開校時の用務員さんが種を取り、蒔いて育てながら毎年この時期に咲かせてくださったものです。今は、ひまわり委員さんが中心となってお世話をしてくれていますが、開校時から、毎年咲き続けている桜草を見ると感慨深いものがあります。
 最近は、ビオトープに張った氷を桜草のプランターに差し込んでいく子どもの姿を見かけます。氷を友だちには見せたいけど教室には持って行けないので「どうしよう…。」と困っていた子に、「溶けたらお水になるので、プランターの土の上に置いておくのはどう?。」とアドバイスしたら、それからは、桜草のプランターにはたくさんの氷が差し込まれたり置かれたりするようになりました。桜草にとって、冷たいけれど温かいプレゼントになっているといいのですが。
 さて、この桜草のように、本校には引き継がれている「大切なこと・もの」がいくつかあります。今週月曜日から始まった校内書き初め展もその一つです。子どもたちが「今年の決意や希望」として選んだ言葉と作品を見ていると、文字と言葉が持つ力に引き寄せられるようで、何度も足を止めて見入ってしまいました。ふれあい相談員の石渡悦子先生も子どもたちの作品を見てくださり「なぜその言葉を選んだのかという理由も書いてあるので、読んで感激しました。」と話されていました。私も同じで、子どもの言葉に心を動かされることが多くあります。
 「言霊:ことだま」という言葉がありますが、言葉に宿っている不思議な力のことで、古代では、その力が働いて、言葉通りの事象がもたらされると信じられたそうです。言葉通りの事象がもたらされるといいと思う言葉が、子どもたちの作品にもたくさんありました。例えば「平和な国」「明るい年」という作品の下には、「去年は東日本大震災があったので、今年は平和な国であってほしいから」「みんなが笑って過ごせるように」「日本全国が明るくなるように」というような理由が書かれていました。また、6年生は、中学生になる自覚や決意の文が「新しい出発」「飛び立つ鳥」「未来を開く」という作品の下に書かれていました。
 以前この欄で「想いと言葉が人生を創る」という拙文を書いたことがありました。「心で想い、口から言葉として発し、そして具体的な行動が伴えば、良いことも悪いことも現実となる可能性は高くなります。その意味で、想いと言葉が自分の人生を創りあげていると考えてもおかしくないと思います」という、カレンダーに載っていた文を紹介しました。決意や希望の言葉も子どもたちの心を形成するもとになることでしょう。言葉に宿っている力を信じたいです。保護者の皆様にも書き初め展を見ていただき、子どもたちの言葉の力を感じていただければうれしく思います。 
 県内ではインフルエンザが流行しているとのことですが、本校でも兆しが感じられます。メール配信で注意を呼びかけましたが、地域や保護者の皆様におかれましても、どうぞ気をつけてお過ごしください。ご健康をお祈りしております。

      校 長   荒川 由美子
掲示者: | 2012年 2月 1日 (水曜日) 16時33分

2011年 6月 10日 (金曜日)

.学校: 大塚台の風4月号

花笑み
                             
 学校のシンボルツリーのひめしゃらには、うすみどり色の若葉が出始め、日ごとに色を濃くしています。この若葉のころのひめしゃらからは、人間で言うと青年期のような瑞々しい生命力を感じます。
 また、桜吹雪の中を登校する子供たちが、あまりの美しさに、「すごーい」と言って立ち止まったり、舞い散る花びらを手に受けようとする姿を多く見かけました。例年は、満開になるのが春休み中ですので、今年は子どもたちに美しい姿を見てもらい、桜の木も喜んでいるかもしれません。花が咲くことやつぼみがほころびることを「花笑み」と言いますが、今年の春はいつになく、花々がほほ笑んで咲いて、私たちを励ましてくれているように感じます。
 さて、新年度が始まり3週間が過ぎましたが、子どもたちは新しいクラスにも慣れて元気に過ごしています。特に、休み時間になると黄色い帽子の1年生が校庭やアスレチックで遊ぶ姿がたくさん見られます。入学式からしっかり話が聞けてお行儀がいいと言われた1年生ですが、新しい小学校生活を全身で楽しんでいるようなパワーも感じます。15日には、1年生を迎える会が行われました。2年生から6年生までの各学年が、歌やダンス、劇やリコーダーの演奏などで1年生を歓迎し、1年生はかわいい歌やあいさつで応えていました。全校児童がひとつになったように感じる会でした。
 今年も6年生が1年生のお世話で教室を訪問したり、手を引いて登校したりする姿を見ます。2年生は、自分たちが昨年2年生に教えてもらった遊びを1年生に教えるのを楽しみにしています。
 「大切なことはね、目に見えないんだよ」というのは、星の王子様に出てくる有名な言葉ですが、本校の子どもたちは、上級生から下級生にその「大切なもの」を見える形で伝えているように感じます。また、様々な場面で子どもたちの活動を支援してくださる保護者ボランティアの方々や、雨の日も風の日も子どもたちの安全を守ってくださる見守り隊の方々の行動も、「見える大切なもの」として子どもたちに伝わっていることでしょう。そうした多くの方々の無償の愛に支えられた子どもたちが、「花笑み」のような笑顔で地域を明るくしてくれることを願っています。
 今年度も、多くの方々に支えていただきながら、よりよい学校をつくるために、職員が力を合わせてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

      校  長 荒川 由美子

掲示者: | 2011年 6月 10日 (金曜日) 16時04分

2011年 6月 10日 (金曜日)

.学校: 大塚台の風5月号

虹も応援してくれた運動会

 例年より早い梅雨入りと台風の影響で運動会が延期され、保護者の皆様にはご心配をおかけしました。31日無事に運動会が終了しました。雨の日曜日に放送集会で、「2日も運動会が延期になって残念でしたが、日曜日に登校して落ち着いて授業を受けている皆さんはとても立派です。私たちは、願っていても思い通りにならないことがあるという経験をしました。その経験は、成長する上でとても大切なことです。」という話をしました。私たちは、ご家族のご予定を考えて、土日開催にこだわりましたが、思い通りにならず残念でした。でも、今年は被災地のことを考えると、実施できたことを幸せに思います。
 当日の大グラウンドは、雨こそ降りませんでしたが、強風で震えるような気温でした。しかし、子どもたちは最後まで集中して運動会の競技や演技に取り組み、全身で応援していて素晴らしい態度でした。お昼頃に、太陽の周りに丸い虹が出ていたのですが、そんな子どもたちを応援してくれているようでした。
 さて、平日開催のため、ご来校いただけなかったお家の方に、各学年の種目の中で印象に残ったことをお伝えしたいと思います。まず、1年生のダンスは、保護者の方が作って下さった、ミッキーマウスの耳と色軍手がダンスにぴったりしていて、かわいらしさ満点でした。2年生の団体種目は、大玉を4人で運ぶのですが、大玉の大きさと子どもたちの一生懸命運ぶ姿が、これまたなんとも言えぬかわいらしさでした。3年生のダンスは、AKB48の曲にあわせて元気いっぱい踊る子どもたちの笑顔が印象的でした。4年生の団体種目は、4人一組で竹の棒を持ってカラーコーンを回ってくるというシンプルな競技なのですが、回るときの内側と外側の子供のスピードや動きが計算されていて感心しました。5年生になると特別種目の全員リレーがあります。全力疾走して全員でバトンをつないでいく子どもたちからは、高学年になった自覚を感じました。また、責任を持って係の仕事に取り組む姿勢も素晴らしかったです。
 そして、「大塚台の伝統」と言われるようになった組体操とソーランで、最高学年の力強さと団結力を見せてくれた6年生。強風の中で上がったタワーやソーランの演技にも感動しましたが、係の仕事にも一生懸命頑張る姿や優しい思いやりを下級生に伝えてくれたことが一番うれしかったです。今年度も「6年生を見習いましょう」と言われて慕われる最高学年になっていることを実感しました。
 結びになりますが、平日にもかかわらず、朝早くからお手伝い下さったPTA役員さんやおやじの会の皆様、応援に来て下さった保護者の皆様、子どもたちの安全な登下校に、ご尽力くださった見守り隊の皆さま、本当にありがとうございました。

     校 長 荒川 由美子

掲示者: | 2011年 6月 10日 (金曜日) 16時14分

2010年 10月 29日 (金曜日)

.学校: 大塚台の風10月

ヤクーバとライオン

木枯らし一号が吹いて、一気に冬が近づいたようです。そんな寒い朝にも子どもたちは元気に登校して来ます。ある朝には、影踏みをしながら走ってくる子たちがいて、懐かしい気持ちになりました。昨年の今頃は、インフルエンザの感染が広がり、学年閉鎖や学級閉鎖に踏み切ったことを思い出しますが、今年は平穏な日々をありがたく思います。そして、どんなに寒くても、半袖のTシャツで登校している子どもや、休み時間に外で走り回って遊ぶ子どもを見ると、私たち大人も寒さには負けていられないという気持ちになります。
 さて、10月27日から読書週間が始まりました。この読書習慣は、終戦間もない昭和22年に「読書の力によって、平和な文化国家をつくろう」と始まったそうです。そのころから比べると私たちの生活は格段によくなっていますが、今も読書が私たちの心を潤し耕してくれて、教養を高めるために大切な行為であることは言うまでもありません。
 本校では、朝読書やボランティアの方々による読み聞かせなどで、読書活動を推進していますが、ご家庭でも読書を大切にしてくださっていることを感じた出来事があります。ある本を持って登校した子が「この本は、お母さんが子どもの頃に読んだ本なんだよ」と見せてくれたのです。装丁などは色あせても、その本は、また新たに物語の楽しさを子どもに伝えているのですね。子どもは、物語からのメッセージだけでなく、お母さまの思いも感じ取ったことでしょう。
 そこで、今月はある絵本の紹介をしたいと思います。黄土色の地色に黒一色で描かれた力強い絵が、絵本というイメージを打ち破る、「ヤクーバとライオン」。主人公はアフリカの奥地に住むヤクーバという少年です。この村では、成長した少年たちはライオンと独りで戦って、たくましい勇気があることを示して戦士になるための祭りがあるというところから物語は始まります。テーマは、「勇気」と「信頼」。ストーリーはあえて書きませんが、読み手は、自分がヤクーバだったらどうするだろうということを考えずにはいられません。この本を翻訳した柳田邦男さんは、あとがきでこんな言葉を私たちに投げかけます。「勇気とは何だろうか。困難な問題に直面したとき、逃げずに真正面から立ち向かう勇気。中傷されてもひるむことなく人前に出ていく勇気。いじめられている子を守ってやる勇気。…勇気にはいろいろな勇気がある。真の勇気とは…」
 大人でも答えが出せない重いテーマですが、「日本の大人や子どもたちにこの絵本のメッセージを伝えたい」と柳田邦男さんは書かれています。私も息子が小学生か中学生の頃だったら、読んで話し合いたかった、と思いました。本校の図書室には、2冊の「ヤクーバとライオン」があります。見つけたら手に取って見てくださいね。
最後になりましたが、今週行われた「コミコミスクール」と「風の子作品ランド」にはたくさんの地域や保護者の方々がご来校くださいました。いつも本校の教育活動に多くの方々が関心を持ち、温かく見守ってくださることに感謝申し上げます。
            校 長 荒川 由美子
掲示者: | 2010年 10月 29日 (金曜日) 17時07分

2011年 10月 7日 (金曜日)

.学校: 大塚台の風10月号

習慣は第二の天性

 朝夕は涼しく秋の気配が濃くなってきました。例年は9月末に発行している「大塚台の風」が遅くなり申しわけありません。9月から10月にかけては、5年生の足柄キャンプ、6年生の日光修学旅行があり、その活動の一端を少しでもお伝えしたいということで発行を遅らせました。ご容赦ください。
 5年生の足柄キャンプと6年生の日光修学旅行は無事に終了いたしましたが、保護者の皆様には、様々な形でご理解とご協力をいただきました。本当にありがとうございました。詳しい内容は、別のページでお伝えしますが、感謝の気持ちでいっぱいです。
 さて、前期終了式を控えて、通信簿に目を通す頃になりました。担任が書いた所見欄を読んでいると、子どもたちの様子が具体的にわかりやすく書かれていて、一人一人のがんばりや活躍ぶりが目に浮かぶようです。そして、学級や学年がまとまってきたことも感じます。
 また、子どもたちが記入する「がんばったこと・楽しかったこと」の欄を読むのも楽しみです。前の学年ではできなかったことができるようになった喜びを書いた、3年生の文を紹介しましょう。「体育の勉強で、2年生の時にできなかったとび箱の4・5段ができるようになったのでうれしかったです。これからももっとがんばれ!自分!」 次に、1年生は「きゅうしょくが、ようちえんのころよりおおくて たべるのがたいへんだったけど がんばりました」「けがをしたときに ともだちにたすけてもらって うれしかった」 などと、小学校の生活にすっかり慣れてきたことがうかがえます。
思わず微笑んでしまったり、なるほどと感心したり、1030人分の、がんばったことや楽しかったことの文章を読めるのはとても幸せなことです。
 さらに、今年は全学年に共通した内容があることに気がつきました。それは、何かを継続して行っていることに対して、価値づけをしている子がいるということです。家庭学習を続けてやっているうちに漢字の練習が楽しくなったとか、委員会の仕事を毎日行って自信がついたという、一見ささやかなことです。しかし、継続して行うことから習慣にすれば、ささやかなことではなくなります。
 英語には「Custom is second nature.」 という、直訳すると「習慣は第二の天性」ということわざがあるそうです。例えば、整理整頓が苦手だったとしても、必ず一日の終わりに身の回りを整えるようなことを習慣化すると、それはもう天性のように自然に行えるし、表情が暗いと悩んでいる人であれば、一日に何回か笑顔になる機会を持つことを習慣にすることで表情が明るい人になるということでしょうか。
 習慣というのは、何回か行うというレベルではなく、継続するということが大前提ですが、どんな小さなことでも続けて、習慣にすることができれば、その人が生まれ持った性質のように、良い持ち味になることでしょう。日本には「継続は力なり」ということわざがあります。どちらも、先人が私たちに残してくれた大切な教えですね。
 さあ、明日から秋休み。通信簿には、今までのように保護者の皆様にも記述していただく欄があります。ご負担をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。お子さんへの励ましや担任に対してのお言葉は、見せてもらった私も元気をいただくことがあります。双方向性の通信簿の良さを実感します。
 結びになりますが、急激な気候の変化に、体調を崩しがちな季節です。皆様のご健康をお祈りしております。
   
       校 長 荒川 由美子


掲示者: | 2011年 10月 7日 (金曜日) 13時39分

2011年 11月 29日 (火曜日)

.学校: 大塚台の風11月

学び合う楽しさ

 いつのまにか空気が澄んで、校庭の向こうに富士山がきれいに見える季節になりました。小グラウンドに生えそろった緑の芝生の奥に見える雪化粧の富士山は格別な美しさです。来校されたお客様も「ここでも富士山が見えるのですね」と喜んでくださいます。私たちも、富士山が見える朝は良いことがありそうで気持ちのよいスタートがきれます。ちょっと前までは、芝生のためにスプリンクラーで水をまくと、きれいな虹が出るので、登校してきた子どもたちは大喜びをしていたのですが、季節の移り変わりを感じます。その芝生の小グラウンドは、冬芝の養生のために立入禁止でしたが、先週の25日から使えるようになりました。「今日の昼休みから小グラウンドが使えます」という校内放送を聞いた子どもたちは「やった〜」と大喜びしていたそうです。そして、昼休みは芝生の上で寝ころんでおしゃべりしたり、おいかけっこをしたりする子どもたちの歓声でいっぱいになりました。子どもたちの様子を見ていた私たちも幸せな気分でいっぱいになりました。
 今月は風の子フェスティバルやドリームフェスティバルがあり、子どもたちにとっては非日常の楽しさを味わう機会が多くありました。しかし、教職員はその合間に様々な機会を通して授業公開を行いました。本校では、「学び合う楽しさを味わう子どもを目指して」という研究テーマのもと、全校で授業研究を続けています。今年度は、教科を算数に絞ったことにより、指導の系統性がより鮮明になってきました。研究のことにつきましては、本号3ページに、研究担当者からの詳しい説明がありますので、ご一読いただければ幸いです。
 私見ですが、本校の研究の良さは、目の前の子どもたちの姿を通して研究を深め、自身の授業改善に生かしているところではないかと思います。授業公開後の研究協議会では、若手もベテランも同じ視点で意見を出し合いながら、よりよい授業について真剣に話し合う姿が見られます。私も8つに分けたグループの一つに属して話し合いに加わりますが、いつも他の先生方の気づきや意見に学ぶことが多くあります。教師の指導力は、一朝一夕に高められることはありませんが、こうした地道な研究の繰り返しの中で高められていく力はあると思います。そして、教師たちが楽しく学び合う土壌がある上に、「学び合う楽しさを味わう子どもたち」が育まれるのだと考えます。
 明日から12月。慌ただしい時期になりますが、忙しさに紛れることなく、子どもたちの様子を見ていきたい思います。何より、ご家庭と学校の連携が大切です。ご心配なことがありましたらいつでも担任を通して学校にご相談ください。先週から今週いっぱい個人面談が行われていますが、担任と実り多い話し合いが出来ますように願っております。
 これからますます寒さが厳しくなります。お身体を大切にお過ごしください。

       校 長  荒川 由美子
掲示者: | 2011年 11月 29日 (火曜日) 15時26分

2010年 11月 30日 (火曜日)

.学校: 大塚台の風11月号

夢をあきらめないで

 学校の周りの木々が、日ごとに色を変え落ち葉になっていく季節になりました。夏には木陰をつくって日差しから守ってくれていた学校前の桜の木は、冬になると葉を落として日差しの暖かさを届けてくれます。たったそれだけのことですが、自然の営みには感謝したくなります。
 毎年この季節になると、書いていることですが、今年もきれいに雪化粧をした富士山が見られるようになりました。富士山をバックに、寒さをものともせず動き回っている子どもたちの姿は本当にかわいくて絵になります。
 さて、6年生のキャリア教育の講師として、昨年まで劇団四季に在籍され、数々のステージに立って活躍されていた丸山れいさんが学校に来て下さいました。今年の7月に芸術劇場で市内の6年生を対象にした、劇団四季の公演がありました。その時の舞台「エルコスの祈り」を見た児童の中に「将来ミュージカルの舞台に立ちたい」「どうしたら俳優になれるのだろう」という感想を書いた子どもがいました。そこで、あるご縁を頼って今回の講演が実現したのです。プロとして数々のステージに立っていらした丸山さんのお話は、私たち大人が聞いても大変興味深く引き込まれる内容でしたのでご紹介いたします。
丸山さんが劇団四季のミュージカルを見て「この劇団に入りたい」と思ったのは中学2年生の時だったそうです。それで、周りの人にその夢を話していたら、ある方が演劇専門の高校があることを教えて下さったとのこと。そしてその高校に進み、自信を持って卒業時に劇団四季のオーデションを受けたら不合格。かなりショックだったそうです。でも、それから何か一つでも自分の強みを磨こうと音楽大学に進み、声楽を専攻して大学卒業時に再度チャレンジ。そして合格。辛く苦しい練習がたくさんあり、夢を持ってから初舞台まで10年かかったけど、夢をあきらめなくてよかった、あきらめていたら舞台の上で味わえた感激もなかったという丸山さんの言葉は、きっと6年生にもまっすぐ届いたことでしょう。夢を持つことと、夢の実現に向けてあきらめないで努力することの素晴らしさを感じることができた講演でした。
 11月6日には、風の子フェスティバルがありました。子どもたちの夢を支援して下さる保護者の皆様の熱い思いがあふれる素晴らしい一日でした。「笑顔いっぱい 夢いっぱい」の学校を目指して、私たち職員もさらなる努力を続けていきます。今後ともご協力をお願いいたします。
             校長 荒川 由美子
掲示者: | 2010年 11月 30日 (火曜日) 17時06分

2011年 11月 1日 (火曜日)

.学校: 大塚台の風11月号

お気に入りの筆記用具

 学校の周りの木々も色づき、秋の深まりを感じます。先週は、コミコミスクールや作品ランドでご来校くださる方が多く、校内がにぎやかでした。地域や保護者の方だけではなく、様々なお立場の方が来校されましたが、「子どもたちの笑顔やあいさつがすばらしいですね」「地域連携・保護者参画の姿勢が生きていますね」とおほめの言葉をいただきました。子どもたちのことをほめていただくのは一番うれしいことです。
 また、建築を学ぶ学生さんも見学に来られて「こんな学校に通ってみたかったです」と話されていました。さらに、参観されている保護者の皆様は、授業の様子だけでなく、お子さんの作品を撮影されたり、なかよし集会や芸術鑑賞会に参加して下さったりと、広く本校の教育活動を見てくださいました。ご来校くださった皆さまには、心より感謝申し上げます。 
 さて、今月は筆記用具のことについて雑感を書かせていただきます。私は、校内をまわりながら授業の様子を覗く時に、子どもたちの鉛筆・消しゴムやノートをよく見ます。プリントやノートに書かれた文字がきれいに整っていたり、ノートのまとめ方に工夫が見られたりする子どもは、かなりの確率で筆箱を含めた筆記用具を丁寧に扱っています。鉛筆がきれいに削られて筆箱に入り、消しゴムやペンなど必要な物がきちんと入った筆箱は、見て清々しい気持ちになるくらいです。
 時々、学級通信の中に「筆箱の中も見てください」と、保護者の方に向けた担任からの文が載っていることがあります。子どもたちの学習に対する意識や意欲は、筆箱を見ればすぐわかるからでしょう。そして、使いやすくお気に入りの筆記用具が学習時間や文字を書くことを楽しくしてくれるということもありますね。字がきれいに書けるようになったのは、○○の鉛筆を使ってからだとか、自分に合う硬さの鉛筆にしてから、文字を書くことが楽しくなったという体験をなさった方も多いのではないでしょうか。
 私事で恐縮ですが、修学旅行のウォークラリーのポイントで、班ごとにチェックをしていた時のことです。私が使っているボールペンを見て「あっ、S○○○○ F○○だ」と言った子たちがいました。本校では、授業で使う筆記用具は「じょうずな字を書くために鉛筆を使いましょう」と決められていますので、ボールペンの商品名を知っていることにちょっと驚きました。このボールペンは、細かい文字がきちんと書けて、几帳面な人になったような気がするので愛用しているのですが、子どもたちも、これで書くときれいな字が書けるというお気に入りの鉛筆が見つかるといいですね。
 これから日ごとに寒くなりそうですが、皆様のご健康をお祈りしております。

                         校 長  荒川 由美子
 

*教頭先生が、毎朝子どもたちに向けてメッセージを書いてくださっています。初めのころはホワイトボードの文字もちょっと緊張気味でしたが、この頃は、すっかり慣れて、このペンが教頭先生のお気に入り?と思えるくらいです。
 ご来校の際は、ぜひご覧くださいね。


掲示者: | 2011年 11月 1日 (火曜日) 13時42分

2011年 12月 22日 (木曜日)

.学校: 大塚台の風12月

きつねの小判

 年の瀬を迎え、お忙しい毎日のことと思います。子どもたちの服装に、毛糸の帽子や手袋・マフラーが加わり、冬を実感する季節となりました。今年は、レッグウォーマーやネックウォーマーが新しい防寒着の傾向かな、などと思いながら子どもたちと朝のあいさつを交わしています。でも、まだ半袖のTシャツで登校する子もいて「元気はつらつだね。すごいね。」と声をかけると「まだ寒くないよ。」との返事。防寒対策バッチリの私には、子どもたちの薄着がうらやましい限りです。
 さて、12月に入ってからは、毎月曜日がよく晴れて小グラウンドで集会をしています。芝生のグラウンドに集まってくる子どもたちの姿は、時間まで寝そべっていたり、でんぐり返りをしていたりしてとても楽しそうです。その光景が、私の話にも反映されて、子どもたちの心和むエピソードをたくさん紹介することができました。
 今回は、その中のひとつ「きつねの小判」のことをお伝えしたいと思います。ある朝のこと、2年生と3年生の男子が「先生これあげる。」と言って、私の手に小さくて黄土色の楕円形の物を数十個乗せてくれました。私は初めて見る物だったので「これは何?」と聞きました。「きつねの小判って言うんだよ。」「道に落ちているよ。」「100個集めると願い事が叶うんだよ。」などと、教えてくれました。でも、私にはそれが何なのか、頭の中が???でいっぱいでした。職員室に戻ってから何人かの先生に聞いてみたのですが、はっきりしたことはわからず、インターネットで調べても芳しい答えはありませんでした。それは、私が先生方に「さるの小判」と言ったことが原因だったようです。
 その日の集会で、最後の話題として「今朝、さるの小判をもらいました。100個集めると願い事がかなうことも聞きましたが、まだわからないことがたくさんあるので、知っている人がいたら教えてね。」と話しました。さっそく、集会の後に「さるじゃなくて、きつねの小判だよ。」と教えてくれた子がいました。また、その後もいろいろなことを教えてくれる子どもが続出。「ねこの小判とも言うよ。」「鳥のフンだよ。」「カラスが食べた木の実がフンの中に入っているんだよ。」などなど。まとめてみると、もとはハゼの実で、それを鳥が食べてフンとして地上に落とすのですが、雨に流されてハゼの実の固い種の部分が残されているらしいのです。なぜ、100個集めると願い事がかなうと言われているのかは、謎のままです。ご存じの方がいらっしゃいましたら教えてくださいね。
 集会で話してからは、毎朝子どもたちが「はい、きつねの小判だよ。」と集めてきてくれるので、たくさん集まっています。「校長先生の願い事はなあに?」と聞かれることが多いのですが、子どもたちとこうしてふれあっている時間が「きつねの小判」からのプレゼントなのだと思います。おかげさまで、心の防寒着は全く必要がないくらいにぽかぽかの師走です。
 さあ、明日からは18日間のいつもよりちょっと長い冬休み。子どもたちが家族の一員として家の手伝いをしたり、話をしたりして家族の一員としての役割をはたし「家族の絆」が深まることを願っています。地域の皆様、保護者の皆様、どうぞ良い年末年始をお過ごしください。ご健康とご多幸を心よりお祈りしております。

        校 長   荒川 由美子

掲示者: | 2011年 12月 22日 (木曜日) 8時57分

2010年 12月 24日 (金曜日)

.学校: 大塚台の風12月号

かくされているものは?

 水仙の花が咲く季節になりました。ある日突然、スッとした葉が地面から出ていてびっくりするのが、私が持つ水仙の印象です。そして、毎年生えてくる面積を増やしているので、地下で球根が増えているのでしょう。
 また、先日ある先生から、葉が落ちた木にメジロの巣があるのを教えてもらいました。葉が生い茂っていた時には見えなかった巣がきれいな形で現れていて驚きました。
 自然界のことに限らず、表面の現象に気を取られ、その裏にあるものに気がつかないことが、私たちにはあります。例えば、わが子の言動に怒ったり、注意したりすることは多くても、素敵に成長している部分に気がつかないことは、親としてよくあることです。
 こんな話を聞いたことがあります。ある高学年の男の子が、母親に映画に行こうと誘いました。珍しいことなので母親は大喜びで同行しました。ところが、映画館に入る直前に子どもの態度が一変し、急に冷たい顔になって映画館では別の席に座り、終わるや否や母親を残して勝手に帰宅してしまったのだそうです。母親は自分のしたことで何が気に入らなかったのかと思ったり、子どもの身勝手さに腹を立てたりしました。ところが、夕食が終って子どもに理由を聞いてみると、映画館の前で同級生も来ていることがわかり、母親と一緒なのを冷やかされるのが嫌なので急に離れたことがわかりました。思春期に入った子どもの気持ちに、母親は複雑な気持ちになりましたが、聞いてみたので、子どもの態度の裏に隠された心の動きを理解できたのです。
 また、1・2年生が生活科で行った、なかよしいっぱいゆめまつりでのことです。「2年生が注意してくれたんだけど、それは僕が転ばないように心配してくれたから『走っちゃだめだよ』って言ってくれたんだよ」と教えてくれた子がいました。「2年生は、いっぱい優しくしてくれたよ」とその子が話したので「どんなふうに優しくしてくれたの?」と聞いた答えが注意してくれたことだったのです。注意した2年生も、注意の裏にある優しい思いを受け止めていた1年生も、しっかり成長していると感じ、じんわりしたうれしさがわいてきました。
 子どもの行動が理解できない・わからないと悩まれる保護者の方は少なくありません。一生懸命に子育てをしていればいるほど悩みもつきないものです。まずは、子どもたちの行動や言葉の裏側にある思いをじっくり聞いてみることが解決への糸口になるのかもしれませんね。
 さあ、明日からは17日間の冬休み。子どもたちが家族の一員として家の手伝いをしたり、家族の方々とたくさん話したりする機会があることを願っています。
 地域の皆様、保護者の皆様、どうぞ良い年末年始をお過ごしください。ご健康とご多幸を心よりお祈りしております。
 
       校 長 荒川 由美子
掲示者: | 2010年 12月 24日 (金曜日) 17時03分

2011年 1月 31日 (月曜日)

.学校: 大塚台の風1月号

一日ひとつ

 新年を迎え、後期の後半がスタートしてからあっという間に3週間が過ぎました。
 先週は、インフルエンザや発熱で欠席した児童が多く、学級閉鎖をしたクラスもありました。地域や保護者の皆様にはご心配をおかけして申し訳なく思っています。しかし、あまり大事には至らずに回復していますのでご安心ください。
 寒い冬でも、子どもたちはとても元気です。2月に行われる「笑顔で走ってがんばろう集会」の練習で、登校してから学校の周りを走っている子がどの学年にもたくさんいます。また、ビオトープに張った氷を割って持ってきたり、通学路で見つけた2センチ近くある霜柱を持ってきたりして、冬の自然を楽しんでいる子もいます。霜柱は、冬のある一定の条件が整った時間と場所にのみできるのだそうですが、温暖化の影響でしょうか、最近ではあまり見つけることができません。私が子どもの頃には、道路も舗装されていませんでしたので、毎日のように見つけて、ザクザク踏んで遊んだものです。ともあれ、昆虫などがあまり活動しない冬は、氷や霜柱が子どもたちを楽しませてくれています。
 さて、動物王国で有名なムツゴロウこと畑正憲さんのエッセイに、次のようなことが書いてありました。畑さんが中学生の時、毎日曜日に通って英語を教えていただいた先生が、最初の日にこうおっしゃったそうです。「昔、俳句の達人がいた。弟子の一人が、上達の道を訊いたら、ポツリと答えたそうだ。一日一句。きみ、英語も同じだよ。一日一行、これを守りなさい」毎回、1時間。ちゃぶ台をはさんで英語の物語を読み始めたそうです。3年間続けると急速に読解力が伸びて高校に入るころには、ヘミングウェイなどは辞書なしで読めるようになっていたそうです。また、こんなことも書かれています。「私は後期高齢者だが、今でも一日一行を続けている。次はベルギー語だ」
 新年の集会では、「くじけないで」という詩集を出され、今年100歳を迎える柴田トヨさんが、90歳を過ぎてから詩を作り始めたことを紹介して、「何かを始めるのに遅すぎることはない」という話をしました。
 一日にひとつだったら、できないことの言い訳はできそうにありません。また、始めるのに遅すぎることもありません。どんなに小さなことでも、一日にひとつ何かを続けていくことが大きな力になっていくことでしょう。さあ、これから「一日ひとつ」を始めてみませんか。ちなみに、甘いお菓子は一日ひとつにしようとか、見るテレビ番組はひとつにしようといういう決意も、ありだと思います。
 明日からは2月に入りますが、まだまだ寒い日が続きます。皆様のご健康をお祈りしております。

      校 長 荒川 由美子
掲示者: | 2011年 1月 31日 (月曜日) 17時05分

2012年 3月 8日 (木曜日)

.学校: 大塚台の風2月

どこでもドア

 明日からは3月だというのに、冬に逆戻りをしたような雪の降る朝になりました。でも、朝の校舎からは、5年生や6年生が卒業の歌を練習する、温かくさわやかな歌声が流れています。6年生は、ソプラノとアルトに分かれてパート別の練習をしているのですが、「朝からこんなに高い声がでるんですね。」と、先生方に思わず話しかけるくらいに、気持ちが入った歌声が聞こえてきます。下の階にいる1年生は、「何か、歌が聞こえる。」と言いながら耳を澄まして聞いていました。
 今年の6年生が歌うのは、「ひろい世界へ」という曲です。私は初めて聞いたのですが、以前からある曲だそうです。「僕らの前にはドアがある いろんなドアがいつもある ドアを大きくあけはなそう ひろい世界へ 出ていこう」という歌詞から始まります。中学校という新しい世界に入っていく6年生が歌うにはぴったりの歌詞だと思いながら聞いています。
 さて、アリーナ前のウッドデッキ工事が始まったある朝、「先生、あれはタケコプター?」と2年生の女の子から質問されました。コンクリートの上に、タケコプターのような形をした金属がずらっと並んでいるのです。ウッドデッキの板を支える金具なのですが、タケコプターがずらっと並んでいるようにも見えて、子どもたちと笑いながらドラえもんの話になりました。「一番ほしいのは、どこでもドアだよね」という、ある子の意見が支持されていました。私も、「どこでもドアがあったらいいな」と思いながら校舎に戻ってきて、聞こえてきたのが「ひろい世界へ」という歌だったのです。その歌詞を読みながら、私たちも毎日新しいドアを開けているのだと気づきました。今日は何があるんだろう、という期待を持ちながら。そのドアは限りなくあるのに、気がつかないこともあるのでしょう。新しい何かを始めた時、新しい本を開いた時、新しい場所に行った時、誰かと出会った時等々。 
 どこでもドアは、誰にでもあるのに、見ようとしないと現れないドアのことかもしれないとも思いました。この歌の最後は「ドアを大きくあけはなそう ひろい世界へ 出ていこう」という歌詞でしめくくられます。6年生の歌声を聞いていると、心のドアを開けて一歩ふみだそうという勇気がわいてきそうです。
 16日からは、「ふれフレ週間」と言って、1年生から5年生までの子どもたちが6年生と「ふれあい」、「フレフレ」と応援するという趣旨の取り組みが始まりました。(インフルエンザ流行のために延期した学年もあります)この時期に、下級生が6年生とふれあう週間は毎年行われていますが、いつもながら6年生が下級生に対して優しく、最上級生としてのいいお手本を示してくれていたのだと感じます。大好きな6年生に喜んでもらいたいとか、感謝の気持ちを伝えたいという下級生の気持ちがしっかり感じられます。短い時間ではあっても、ドアを開けて羽ばたいていく6年生には、心に残る思い出となることでしょう。 
 結びになりますが、インフルエンザの流行で学級閉鎖をしたクラスもあり、ご心配をおかけしています。まだまだ、安心できる状況ではなく心苦しいのですが、皆様のご健康をお祈りしております。

      校 長   荒川 由美子


掲示者: | 2012年 3月 8日 (木曜日) 18時57分

2011年 3月 3日 (木曜日)

.学校: 大塚台の風2月号

時間よ止まれ

少しずつ日足ものびはじめ、明るい早春を感じる季節となりました。早いもので、明日からは3月になります。校内では、卒業制作の作業に集中して取り組んでいる6年生や、卒業生を送る歌の練習に余念がない5年生を見かけます。卒業式が近づいてくると「時間よ止まれ!」と念じたくなるほど時間の流れが速く感じます。
 さて、23日からは、「ふれフレ週間」と言って、1年生から5年生までの子どもたちが6年生と「ふれあい」、「フレフレ」と応援するという趣旨の取り組みが始まりました。各学年とも趣向を凝らしていますのでその一端を紹介します。
 5年生は、キャンプや音楽の時間に学んだケチャ風ボイスパーカッションを披露して、6年生と一緒にケチャを楽しもうという集会が行われるようです。ちなみに、ケチャとはバリの伝統音楽とのことです。4年生は、明日の昼休みに「じゃんけん列車」で遊び、「ありがとう」の歌とメッセージカードのプレゼントを用意しているようです。3年生は、ドッジビー大会を小グラウンドで行いました。実行委員さんが中心となって計画を進めていい大会になりました。2年生は「くだもの狩りへ行こう」、1年生は「猛獣狩りに行こう」というゲームで6年生とふれあいました。どちらの学年も、6年生がとても協力的にゲームを楽しんでくれてよかったという感想を聞きました。
この時期に、下級生が6年生とふれあう週間は毎年行われていますが、いつもながら6年生が下級生に対して優しく、最上級生としてのいい手本を示してくれていたのだと感じます。大好きな6年生に喜んでもらいたいとか、感謝の気持ちを伝えたいという下級生の気持ちはとても微笑ましく素敵です。短い時間ではあっても6年生には心に残る思い出となることでしょう。
子どもの頃に読んだおとぎ話(題名も作者も記憶にないのですが)に、自分が好きな狩りや豪華な食事を楽しむ時は時計を止めてゆっくり楽しみ、仕事をするときは早く時計の針を進めて、ろくに仕事をしないという、わがままな王様の話がありました。子ども心にも楽しい時間は早く過ぎ去り、勉強などあまり楽しくない時間はゆっくり過ぎると感じていたので、この王様をうらやましく思ったことでした。しかし、王様は、時計たちの反乱にあって、仕事の時間は長く、楽しみな時間は短くされたことから自身のわがままを反省し、どんな時も時間を大切に過ごすようになったのです。
 子どもたちにとって、今のクラスで過ごす時間は等しくあるのですが、その時間を長く感じるか短く感じるかは、一人一人違うのでしょう。できれば、「時間が止まってほしい」と思うくらいの充実した仲間との時間を過ごして次の学年に進んでほしいと願っています。それに比べて私は、恥ずかしながら学年末のやるべきことリストを前にして時間を止めたいと思う毎日です。
 春も近いとはいえ、まだまだ寒い日が続きます。地域の皆様・保護者の皆様のご健康をお祈りいたします。

      校 長 荒川 由美子
掲示者: | 2011年 3月 3日 (木曜日) 10時44分

2011年 3月 23日 (水曜日)

.学校: 大塚台の風3月号

お詫びと感謝をこめて…

 先週金曜日に起こった大きな地震の際には、学校からの急なメール送信でのお知らせにもかかわらずご協力いただきましてありがとうございました。その時の揺れは、ほとんどの職員が初めて体験する大きさでしたから、子どもたちはどんなに怖かっただろうと心配しました。しかし、その後校庭に集合して、落ち着きを取り戻した子どもたちを見てホッとしました。
 実は、3月14日付の緑色のプリントでお知らせしたとおり、すぐに停電になり、非常用電話も不通で外部とは一切連絡ができなくなりました。携帯電話も通じない中で、ぴぴっと君の配信は、ある職員の携帯電話からやっとの思いで送信しました。そんな非常時でしたが、できうる限り子どもたちの安全を第一に考えて職員が力を合わせて対応したつもりでいます。しかし、同時に津波警報での避難所を開設したこともあり、至らなかった点もあったことと思います。反省点は今後改善していきますのでご容赦いただければありがたいです。
 次の日に、テレビのニュースで地震と津波の様子を見て、あまりの被害の大きさに言葉が出ないほどでした。その後も伝えられる被害の状況に胸が痛みます。謹んで震災にあわれた方や関係の方にお見舞い申し上げます。
 月曜日の朝、放送で「大きな地震があり、学校やお家が停電になり怖い思いや不便な思いをしたことと思いますが、テレビのニュースで見たように、たくさんの方々がご家族を亡くされたり、お家が壊れたり流されたりして困っています。学校も壊れてしまい、学校に行けない子どもたちもたくさんいます。私たちはその人たちを日本全体で支えなくてはいけません。助け合っていかなくてはなりません。一人一人が自分勝手な行動やわがままを我慢して、節約したり節電したりして助け合う気持ちを持ち、行動することが被害にあわれた方々を支えることになります。」という話を子どもたちにしました。そして、メディアで取り上げられたいくつかのエピソードを紹介しました。例えば、外国の人から見た、被災地の人がルールやマナーを守って避難場所で生活しているのを見て感動した話や、停電の中、助け合う人々の心温まる話です。紹介しながら私も涙ぐんでしまいました。
 15日・16日の給食はパンと牛乳だけでしたが、子どもたちは文句も言わず、余ったパンはみんなで仲良く分けあっていたと、ある担任が話していました。子どもたちの心の中にも、被災地の方々のことを思いやる気持ちが育っていると感じました。
 さて、卒業式を控えた6年生からは、残りわずかな小学校生活をさらに充実させようと頑張っている様子が感じられます。いつも下級生のお手本となり、素晴らしい団結力と優しさを見せてくれた6年生の卒業は、お祝いする気持ちと同時にさみしさを感じている下級生もたくさんいることでしょう。月曜日に行われた卒業式の予行では、この素敵な最上級生の姿が5年生にしっかり伝わっていると感じました。
 結びになりますが、どの学年も、クラスや学年の行事にはたくさんの保護者の皆様が参加してくださり、子どもたちへの愛情や担任への感謝の気持ちをあらわしてくださっています。本当に有り難いことです。こうして1年を振り返ってみますと、たくさんの方々のお力添えがあって本校の教育活動が行われてきたのだと改めて感じます。いつも学校を温かく見守ってくださる地域や保護者の皆様からのご支援・ご協力に深く感謝しております。
 今後も、震災の影響で、様々な不測の事態が起こることが予想されますが、引き続きご理解とご協力をお願いいたします。
   
       校 長 荒川 由美子




掲示者: | 2011年 3月 23日 (水曜日) 12時52分

2012年 3月 15日 (木曜日)

.学校: 大塚台の風3月号

笑顔いっぱい 夢いっぱい 感謝いっぱい

 今年も、ビオトープでは、アカガエルの卵がオタマジャクシになりました。まだ、小さいのですが、オタマジャクシの形をして元気に泳いでいます。大階段に並んでいる桜草もきれいに咲きほこっていて、春の訪れを感じます。
 昨年の12月号でお伝えした、「きつねの小判」は、その後もたくさんの子どもたちが集めて持って来てくれています。小さい手にしっかりと握りしめて持ってきてくれたり、袋に入れて持ってきてくれたりと、子どもたちの優しさと温かさをきつねの小判を通して感じています。透明な容器に入ったきつねの小判は、子どもたちの願いや夢がいっぱい詰まった私の宝物になりました。 
 さて、今年度も学校評価アンケートにご協力くださりありがとうございました。学校の教育活動に対して概ねご理解をいただいていると思える集計結果が出ています。(詳しいことは中のページをご覧ください)しかし、集計結果を分析すると、来年度に向けて取り組むことがはっきりしてきました。特に、「わかりやすい授業」についての項目は、子どもたちの「わかった!」という笑顔を見るために、研究を強化・継続しなければならないと強く感じています。今後も、ご協力いただいて得た結果を、きちんと検証して改善したいと考えています。
 さらに、まとめの時期になり、どの学年もクラスや学年の行事にはたくさんの保護者の皆様が参加してくださり、子どもたちへの愛情や担任への感謝の気持ちをあらわしてくださっています。本当に有り難いことです。1年生のまとめの会では、子どもたちのかわいらしさと、参観された皆様の子どもたちに向けた温かいまなざしが印象的でした。4年生の二分の一成人式は、インフルエンザの影響で21日に延期されていますが、きっと素敵な式になることと思います。 
 明日は卒業式。私事で恐縮ですが、入学から卒業までの6年間を一緒に過ごした唯一の学年ですので感慨深いものがあります。13日に行われた予行練習では、卒業証書を渡す時や合唱を聴いている時に、ふと低学年の頃の姿が浮かんでくることもありました。その6年生からは、地域でお世話になっている方々や先生方に手作りの写真ケースと手紙のプレゼントがありました。布で上手に作られた写真ケースからは、優しい気持ちが伝わってきます。また、かわいいカードには感謝の言葉が添えられていました。卒業式の練習などで忙しいにもかかわらず、周りの人への心配りを忘れない姿には頭が下がります。「感謝を胸に きらめく未来の扉を開こう」というスローガンのもと卒業式を迎える6年生。この気持ちは、優しい思いやりとともに、後輩たちにずっと引き継がれていくことでしょう。そして、卒業式では有終の美を飾ってくれることを確信しています。
 結びになりますが、開校時の1年間と合わせて、7年間大塚台小学校に勤務できたことを幸せに思います。行事の開催や様々な場面で反省することも多くありましたが、大塚台小学校を愛してくださる方々のお力添えがあって乗り越えられたことがいくつもありました。いつも学校を温かく見守ってくださる地域や保護者の皆様からのご支援・ご協力と職員に深く感謝しています。また、この巻頭の拙い文を6年間ご笑覧いただいたことに感謝申し上げます。ありがとうございました。
 これからも、「笑顔いっぱい 夢いっぱい」の大塚台小学校をよろしくお願いいたします。

       校 長   荒川 由美子
掲示者: | 2012年 3月 15日 (木曜日) 8時34分

2011年 7月 4日 (月曜日)

.学校: 大塚台の風6月号

歩こう 歩こう 私は元気

 夏至が過ぎて、梅雨明けの待ち遠しいころとなりました。25日の学校公開日には、たくさんの保護者・地域の皆様がご来校くださいました。元気に活動する子どもたちの姿を見ていただけてうれしく思います。「緊張したけど、発表しているところを見てもらえたのでよかった」という子どもの声や、「心配していましたが、思ったより成長している姿を見ることができました」というお家の方のお話を聞くことができました。また、見守り隊の方々への感謝の会をテレビ放送で行いました。お忙しい中ご来校くださった見守り隊の皆様からは、交通ルールを守ることの大切さだけでなく、子どもたちを思うお気持ちも伝えていただきました。ありがとうございました。
 さて、登下校時のことでは、何年か前にも書かせていただいたのですが、全国に広がる取り組みとして、「歩く」ことを推進するための事業もあるそうです。まっすぐに歩けない子どもが登場し、基本的な歩き方を教えなくてはいけない段階であるとか。本校では、ほとんどの子どもが徒歩で元気に登校していますが、時には自家用車での送迎を見かけます。通学にかかる時間が徒歩で20分以内という児童が9割近くと、徒歩通学には恵まれた環境と言えます。特別な場合(けがや病気)を除き、登下校時に歩くことを子どもたちが実行したらそれだけで十分「歩く」ことは達成されるように思います。また、大雨の日も、風が強い日もしっかり歩いて登校してくる子どもたちを見ていると、それだけでも生きる力が身についていくようです。歩くことは、体も心もバランスよく成長するために必要不可欠なことなのだと感じます。
 ある日の朝、「♪歩こう 歩こう 私は元気♪」と歌いながら歩いている子どもたちを見かけました。とても微笑ましくて、それ以来校内を歩くときは、いつの間にか「歩こう 歩こう 私は元気」と心の中で歌っています。そうすると、自然に手を振って、気持ちも明るくなるから不思議です。そうはいっても、校内を回って子どもたちの活動や笑顔を見ると、いつも明るく元気になっているのですが。
 最後になりましたが、明日から個人面談が始まります。暑い中をご来校くださる保護者の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。担任との有意義な時間が持てますよう願っております。

    校 長 荒川 由美子
掲示者: | 2011年 7月 4日 (月曜日) 16時01分